●ノヴァ講師の解雇無効 「権利乱用」と京都地裁(8月31日 共同通信)英会話学校「NOVA」(ノヴァ、大阪市)で、配転命令を無効とした京都地裁の仮処分決定後に解雇された米国人の男性講師ロバート・ビソムさん(62)=京都府向日市=が地位確認などを求めた訴訟の判決で、同地裁は30日、解雇を無効とし、同社に未払い給与の支払いを命じた。
判決理由で中村哲裁判長は「減給などの懲戒処分をせず解雇しており、仮処分決定の効力を妨害する意図が推認される。合理的理由を欠き解雇権の乱用だ」と指摘した。
判決によると、ノヴァは2003年7月、京都市の四条河原町校に勤務していたビソムさんに近隣校への異動を命令。ビソムさん は地位保全の仮処分を申し立て、地裁は04年3月、配転無効の決定をした。
●「左遷でうつ病」労災認定 1人窓際、給料11万減(8月31日 共同通信)
化粧品製造会社「コスメイトリックスラボラトリーズ」(東京)の元社員の男性(38)が「左遷人事が理由でうつ病になった」とした労災申請について、太田労働基準監督署(群馬県)が労災認定していたことが30日分かった。
申請を支援した神原元弁護士は「精神疾患の労災認定は過労が原因であることがほとんど。こうしたケースでの認定は非常に珍しく画期的だ」としている。
神原弁護士によると、男性は1996年に同社に入社し本社経理部で係長を務めていたが、2004年7月に突然、群馬工場(同県邑楽町)の総務部 に転勤になった。男性側は「同僚だった社長の息子に嫌われたことによる左遷人事だろう」としている。
職場ではほかの社員の机とは離れた場所で、窓に向かった席に着かされた。給料も月約11万円減った。男性は転勤の2カ月後にうつ病になり、3週間入院。退院後の同年10月に本社に出向くと、解雇を告げられたという。
●人材派遣各社、派遣社員のケア・研修や福利厚生を強化(8月31日 日経)
人材派遣各社が自社で抱える派遣社員に対する精神面のケアや福利厚生、研修を強化する。派遣社員の需要は根強いが、若い世代で正社員への希望が強まっていることや、技術を持った人材の不足から実際の派遣数は伸び悩み始めた。各社は派遣で長く働ける環境づくりや資格取得などの支援を通じ、� �秀な人材の確保に懸命だ。
スタッフサービス(東京・千代田)はIT(情報技術)を使い、派遣社員の悩みにきめ細かく対応できる体制を整備する。まず、自社の営業員が携帯端末で常に派遣社員とのカウンセリングのスケジュールを管理できるようにした。仕事上の悩みなどのストレスに早めに対処する。
●内定者に「福利厚生」、リロが企業向けサービス(8月31日 日経)
転勤留守宅管理などのリロ・ホールディングは就職内定者対象の「福利厚生」サービスを企業向けに提供する事業を始める。契約企業の内定者はスーツ購入やホテル宿泊など約5000種類のサービスを通常価格の1〜5割引きで利用できる。景気回復で新卒採用はバブル期並みに厳しくなっており、内定者の囲い込みを狙う企業� ��需要は大きいと判断した。
サービス名は「内定者倶楽部」。9月上旬に企業向けの販売を始める。社会人生活の準備に必要なスーツの購入や引っ越しサービスを割安に利用できるほか、英会話やビジネスマナーをインターネットで学べる通信教育講座もそろえた。通常の社員向けサービスに組み込まれている宿泊施設やカルチャースクール、スポーツクラブ、旅行などの割引利用も可能だ。
●「中小企業の知的財産戦略・先使用権制度の活用可能性」
(8月30日 信金中金総研)
発明や技術、アイデア等の知的財産を企業経営に戦略的に活用するためには、特許権を取得するなどして権利化することが重要とされる。しかしながら、中小企業においては、特許権を取得するメリットよりも、特許権を取得するために発明の内容を公開するデメリットの方が大きくなることもありうる。
先使用権制度とは、発明の内容を公開せずに、その発明を実施する権利を守る制度である。2006年6月に、特許庁が先使用権制度の活用に関するガイドラインを公表したこともあり、あらためて注目が高まっている。そこで、本稿では、先使用権制度を概説し、中小企業における活用可能性について考察する。
信金中金総合研究所HP
特許庁HP 資料室
⇒その他参考情報 先使用権制度ガイドライン(事例集)について
●今春の事務系大卒初任給は20万3960円・経団連(8月30日 日経)
日本経団連は29日、2006年3月の新規学卒者の初任給調査結果を発表した。事務系の初任給は大学卒で平均20万3960円で、前年比上昇率は0.36%。高校卒は15万9222円、同0.34%とほぼ横ばいだった。(5月〜6月にかけて会員企業2070社を対象に調査、667社から回答。)
初任給を前年と同水準に据え置いた企業の割合は68.9%と、8年連続で5割を超えた。日本経団連は「業績が回復しても、賃金のベースアップにつながる初任給の引き上げには慎重な企業が多い」とみている。
●「2006年、企業における情� ��セキュリティ対策の実態」(8月29日 野村総研)
個人情報保護法への対応はほぼ完了 次に取り組むのは「日本版SOX法」
NRIセキュアテクノロジーズは、上場企業を中心とした3000社にアンケート調査を実施(回収率15.0%)。個人情報保護法への対応については、「一通り完了した」と認識している企業が、昨年は54.8%だったのに対し今年は80.3%に増加。対応がかなり進んでいることがうかがえます。今後の情報セキュリティ対策については、7割近い企業が「日本版SOX法」への対応を検討している傾向が見られました。
野村総合研究所HP 広報誌『未来創発』Vol.23
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●「法改正が有料老人ホーム利用に与える影響と課題」(8月28日 ニッセイ基礎研)
今年4月に老人福祉法と介護保険法が改正された。本稿では、改正の内容を整理するとともに、制度改正が有料老人ホームの利用に与える影響と課題について整理した。
ニッセイ基礎研究所
⇒9月号REPORTV:有料老人ホームの現状と課題
●社員のウェブ閲覧、大企業の8割が管理(8月28日 日経産業)
2社に1社が社員のウェブ閲覧を管理している―。ソフト会社のネットスター(東京・渋谷、小河原昇社長)の調査結果から明らかになった。閲覧を管理している比率は企業規模が大きくなるほど高くなる傾向がみられた。管理の目的としては「ウェブ経由のウイルス、スパイウエアの侵入抑止」を挙げる企業が多かった。
回答企業の56.0%が、特定サイトの閲覧禁止や閲覧履歴の収集・監視といったウェブ閲覧管理を実施していた。ネットスターでは、ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」が原因の情報漏洩(ろうえい)事件が相次いだことで管理体制を強化する企業が増えた� �みている。
●中堅中小企業で人材不足深刻、成長を阻む要因に(8月27日 日経)
中堅・中小企業で人材不足が深刻になってきた。採用意欲の旺盛な大企業が秋採用を本格化する9月を前に、中堅・中小では来春採用予定者が計画を大幅に下回り、中には1人も確保できない企業も出ている。中堅・中小では通年採用の企業が多いものの、例年に比べ苦戦は必至の情勢。景気拡大で営業環境は好転、受注が拡大しているだけに、人材不足が企業の成長を阻む要因になりつつある。
歯車の精度計測器製造の大阪精密機械(大阪府東大阪市、吉岡功二社長)は来春の新卒採用が困難になっている。60人超の従業員に対し来春は3人を採用する計画だが、応募者は集まらず、内定者はゼロ。吉岡社長は「景気が良� ��なると大企業が人材をさらっていってしまう」と嘆く。
●厚労省・フリーター正社員化へ支援加速 企業側とギャップ(8月26日 朝日)
厚生労働省は来年度予算の概算要求でパートの正社員化や年長フリーターの資格取得支援など、脱「非正社員」に向けた事業を並べた。非正規雇用から正社員への移行を促す政策へ加速する。ただ、肝心の企業側との間には温度差が大きく、実効性は不透明だ。
同省が着目したのが年長フリーター対策。25〜34歳で97万人とされる層を対象に、正社員になるための販売士や家電アドバイザーなどの資格を取得するコースを設け、スキルアップを支援する。
また企業で実習し、足りない技能を補うため専門学校などで訓練を受け、5ヶ月以内で正社員� ��つなげる制度を新設。実習中、1人あたり月6万円を企業に支払う。年間1万人の利用を見込んでいる。
パートについても、正社員化を進める。また一律の時給ではなく、職能評価を反映する正社員並みの賃金制度の普及を図る。地域の中小企業団体が、傘下の企業に対してパート社員の教育訓練や正社員への転換制度などを2年間で実施する場合、1千万円を上限に助成する。
派遣や請負で働く人たちには能力を高めるために業種ごとに支援のモデル計画を作成する。さらに、受け入れ先になる企業を開拓するため、ハローワークに「キャリアサポーター」を順次配置。正社員を雇うメリットについて企業に説明し、正社員の求人を要請する。
ただ、非正社員化を進めてきた企業の姿勢を変えるのは容易ではない。日本� �団連のアンケートでは、フリーターを正社員として積極的に採用したい企業は、わずか1.6%と温度差は大きい。連合の高木剛会長は、25日の会見で「再チャレンジと言っているが、実際の企業のマインドとのギャップは大きい」と述べ、企業の意識改革を促すような措置が重要との認識を示した。
●生命保険料控除、医療や介護など実質拡充・金融庁が要望(8月26日 日経)
金融庁は2007年度税制改正で生命保険料控除を抜本的に見直すように要望する。すべての保険商品の保険料を対象に、合計で年間20万円まで控除する案で近く与党に説明を始める。実現すれば需要が急増している医療保険など第3分野の保険料控除が実質的に拡大されることになるが、財務省は拡大に慎重姿勢。個人税制の� �直し論議の焦点となりそうだ。
現行の生命保険料控除は、保険商品を「個人年金」と死亡保険などの「生命保険」の2つに大別。所得税の場合、それぞれ最大で年5万円まで保険料を給与所得から控除し、課税対象額を圧縮する仕組みとなっている。
●胸部X線検査は40歳以上に限定、職場健診で厚労省(8月24日 日経)
職場の定期健康診断で年1回受診が義務づけられている胸部エックス線検査について、厚生労働省の検討会は23日、義務の対象を原則40歳以上に限るとする最終報告をまとめた。今後設置する同省の研究班がエックス線検査の有効性を詳細に調査し、早ければ2008年度から実施したい考え。
雇用時の健診でエックス線検査を受けた40歳未満は、25歳、30� �、35歳の5年ごとの検査に省略できる。一般に健康な若い層では、結核などの病気を発見できる利点よりも、放射線被曝による発がんのリスクの回避を優先した。
坑内などちりやほこりが飛散する職場で勤務する人については年1回の検査を義務づけ、6カ月以上の海外勤務をする場合にも、派遣時と帰国時に検査を受ける必要があるとした。
結核予防法の改正で一般職場でのエックス線検査の義務づけが2005年4月廃止。このため、同法に準拠する労働安全衛生法で定めたエックス線検査の必要性も見直しの議論を進めてきた。
●「会計参与」中小企業300社導入 経理の信頼性向上狙う(8月24日 日経)
中小企業向けの新しい役員制度「会計参与」を導入した企業が300社前後に上るこ とが分かった。5月の会社法施行で始まった会計参与は、税理士や公認会計士が就任して取締役と決算書を作成し、決算書の虚偽記載や改ざんを防ぐ役割を担う。決算に対する信用が高まり、取引や資金調達の条件が有利になりやすいため、導入企業はさらに増えそうだ。
日本税理士会連合会によると、会計参与に就くために身分証明書を発行した税理士は300人強。「うち6〜7割がすでに就任済み」という。
●外国人労働者:健保加入実態調査へ 企業の指導強化(8月24日 毎日)
政府は9月にも、増加する外国人労働者の生活・雇用環境改善に向け、健康保険の加入実態調査に乗り出す。
「外国人労働者問題関係省庁連絡会議」の事務局(内閣官房)によると、外国人労働者は小規模事業所に短期契約で雇われ、工場などの製造現場で働いているケースが多い。事業所の都合で健康保険に加入できず、病気やけがをしても病院で治療が受けられない人も少なくないが、行政として十分な実態把握をできていないという。