私が通わせている子供の小学校の運動会が先日ありました。場所は横浜です。すると知人がこんなことを言うのです。「ここの小学校にはまったく肥満児がいないね。」
そう言われてみると、確かにそうなのです。全校生徒、誰を見ても肥満児は見あたりません。
その方がおっしゃるには、自分の田舎、青森には、クラスにかならず1名以上肥満児がいる、ということなのです。その方が住んでいるところはのどかな田園風景が広がる地方の農村です。農業をやっている方も多いその地域で、肥満が多い、と言うのです。その方は学校関係者ですから、普段からよく子供たちを見ています。また田舎ですからそう人口も多くないところに住んでいらっしゃ� �ます。
なぜ青森の子供たちに肥満が多く、私が住んでいる横浜に肥満が少ないのでしょうか?
とても不思議でした。田舎なら野山も多い、遊ぶところもたくさんあります。都会の子供たちは小学生から塾に通ったり、テレビを見過ぎたりと、不規則な生活になりがちです。ところががそんな都心より田舎のほうが肥満が多いとおっしゃっている………。
田舎や都心といっても、何を基準にして田舎、都心と呼ぶのかはあいまいですし、同じ田舎でも地域によってまったく食環境が違います。ですからいちがいにこうです、とは言えないのですが、この方の一言がきっかけで、肥満について疑問を持った私は、限られた範囲の中ではありますが、少しこの問題を調べてみることにしました。
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すると、ある大変おもしろい調査結果レポートを発見したのです。
私が参考に読んだある研究結果とは、高田晴子・岐阜女子大学/岐阜大学医学部衛生学の高田晴子さんと言う方が過去6年間にわたり、9-10才児を調査した結果、特に岐阜県の中都市の9-10才児1,405人とその両親(父親797人、母親987人)及び、アメリカノースカロライナ州の9-10歳児1,215人とその両親(父親941人、母親1,124人)を対象にした日米比較調査の結果をもとに、子どもの肥満と親の生活習慣との関わりの現状についてまとめたレポートです。
すべての結果をここで紹介すると長くなるので割愛しますが、このレポートで特に面白いと思ったのは、様々な肥満の要因について新しい見方を示唆している点� ��した。
たとえば太った子供の両親は喫煙者の傾向が高い、ということは私にとって新発見でした。また子供の肥満と母親が働いていることは関係ないこと、そして、家族状況については、祖父母との同居や兄弟数などの家族構成、父母の帰宅時間のどれとも、子どもの肥満とは関係していなかった、ということも新たな発見でした。
さらに読み進めてみると、最初に知人が言った、「うちの田舎では肥満児が多い」、という言葉を裏付けするような記述があったのです。
それは 生活環境と子供の肥満、というページでした。
(ここから引用)
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『ところで、ある地方都市の小学校四年生の約1,700人について、私が実施した調査では、肥満の出現率は、学校によって、6パーセントから25パーセントまでと、かなりの幅がありました。学校の所在地を調べると、にぎやかな下町と、人口が少なく農業関係の仕事の多い田舎に、肥満出現率の高い学校が集まっていて、逆に、都市でも、いわゆる山の手とよばれる地域には、肥満の出現率が低い学校が集まっていました。同じ都市の中でも地域による差が見られるわけです。』
この、「人口が少なく農業関係の仕事の多い田舎に、肥満出現率の高い学校が集まっていて………」という部分に目が留まったのです。
その方が住んでいるのも、農業関係の仕事の多い田 舎、です。そして青森県と神奈川県では、たとえば7歳児の肥満傾向の出現率*を比較してみると、神奈川県の5.08%に対して青森県は10.86%と、なんと倍以上の開きがあったのです。(参考:7歳児ではもっとも高いのは青森、ついで宮城県、逆にもっとも低いのは兵庫、ついで福岡県)
さらに彼女の研究の中ではコレステロール値のことにも触れています。重要だと思いましたので、簡単にご紹介します。
高田氏は他国との比較において、日本の子どもは肥満が増えているばかりではなく、血中のコレステロールレベルも年々上昇していると指摘しています。
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日本の9-10才児では男女共に、日本人が脂質からとるカロリーの総カロリーに対する割合は、1997年には30パーセントを超えました。アメリカでは現在、34パーセントと言われているので、脂質の摂取量は、総じて体格の大きなアメリカ人並になってきていると言えるます。
高田氏が実施した日米仏3国比較研究の結果によると、ほっそりしたフランスの子どものコレステロール値が1番高く、次いで肥満傾向が多いアメリカ黒人、その次が日本人で、アメリカ白人よりも高値でした。
この結果から高田氏が警鐘を鳴らしているのは、日本の子どもも、食事の内容、とくに脂質摂取の増加にストップをかけなければ、高コレステロールと肥満の多いアメリカの子どもたちの� ��うになるか、肥満児は少ないけれどコレステロールレベルの高いフランスの子どものようになるかのどちらかになりますよ、ということです。
肥満児の研究については、まだ未解明の部分が多いのが現状です。ある一部の調査結果によって結論ずけることはもちろんできませんが、今確実に言えることは、(文部科学省の統計によると)、日本における肥満傾向児の割合は、30年前に比べて2倍近い、という結果が出ている、という事実です。小学校高学年で10人に1人が肥満です。
これからの子供たちが太り続け、ますます肥満大国ニッポンになってしまうのか、どこかで歯止めがかかり、肥満児のいないより健康な日本になるのかは、今後の私たち自身への、肥満に対する関心を高めていく、ということにかかっているのかもしれません。
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肥満児とは(実測体重−身長別標準体重)/ 身長別標準体重 × 100が20%以上の場合
参考資料
*文部科学省 都道府県別肥満傾向児の出現率 平成21年度統計
孤独な夕食+寝不足+テレビ=1.7倍 米調査 2月15日 毎日新聞
子供の肥満予防の指導のために
子供の肥満の時代推移について
秋田県に肥満児はなぜ多いのか
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