クルマが非常時電源になる日
震災後、電気自動車を家の非常電源として使用するというアイデアが注目されていますが、EV車のバッテリーを住宅用蓄電池として活用するという試みは、実は震災前からすでに取り組まれていました。住友林業は2010年に、住宅のライフサイクルにおけるCO2排出量がマイナスになる「ライフサイクルカーボンマイナス(LCCM)住宅」の研究開発を進めるなかで、日産リーフに搭載されたリチウムイオンバッテリーを住宅用に使用する実証実験を行っています。
また、横浜みなとみらい21地区で実施された「スマート・ネットワークプロジェクト」では、積水ハウスが環境配慮型住宅「観環居」において、2011年に日産リーフに搭載された駆動用のリチウムイオンバッテリーから一般住宅へ電力供給するPCS(パワー・コントロール・システム)を公開しています。このPCSは住宅の分電盤に直接接続し、コネクターを日産リーフの急速充電ポートへ繋ぐことで、リーフのバッテリーに蓄えた電気を住宅へ供給することを可能とします。バッテリーの容量は24kwhで、一般家庭における約2日分の電力に相当するといいます。 近未来志向的なイメージが強いEV車ですが、実は歴史は古く、戦後間もない頃には実際に使用されていました。「たま電気自動車」(のちのプリンス自動車工業、1966年に日産自動車と合併)が1947年に発売した「たま」号など数社が販売していましたが、1950年に勃発した朝鮮戦争の影響でバッテリー資材の鉛の価格が高騰、またガソリンの入手も容易になったため、電気自動車は下火になりました。
その後も第1次オイルショック後に一時的に注目されたりと、時代時代の資源の動向に翻弄されてきた電気自動車ですが、CO2排出削減目標を達成する手段の1つとして、また石油への依存を減らす手段として、EV車時代がいよいよ到来するのかもしれません。そして、EV車への電気供給を考えた時、太陽光発電システムとHEMSを備えたスマートハ� ��スは欠かせない存在となりそうです。
MI- 229から6ショック
エネルギーの「地産地消」が可能になるスマートシティ
クルマと家がつながる生活の次に来るものを少し考えてみましょう。住宅やビル、クルマや交通システム、発電所などがつながり、管理・制御できれば、地域全体で電力を融通し合って利用する可能性も出てきます。事実、トヨタ自動車などは街角ガソリンスタンドのように街中どこでも充電できる充電ポート計画も進めています。そうなれば地域を超えて連携し、都道府県や自治体規模でエネルギーをコントロールできるようになるかもしれません。
また、発電所も大規模な発電所だけではなく、風力や太陽光など自然のエネルギーを使って、自分たちで使うエネルギーを自分たちで作りだし、一方では、エネルギー消費を最小限に抑えていく、そんなスマートコミュニティの可能性も見えてくるのではないでしょうか。
次のページでは、家とクルマがつながるスマートハウスなど、スマートハウスのネクストステージをうかがわせる商品をご紹介します。
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